「またおもちゃ買ってきたの?」
この前買ったものだって、もうほとんど遊んでいない。
収納場所もいっぱい。
それなのに、休日にパパと出かけると、また新しいおもちゃを持って帰ってくる。
そんなことが続けば、イライラするのも当然だと思います。
でも、パパにも悪気はないんですよね。
- 子どもが「欲しい!」と言っている。
- 買ってあげたら喜ぶ。
- せっかくの休日だから、一緒に遊べるかもしれない。
- 1,000円くらいなら、まあいいか。
こう考える父親の気持ちも、私は分からなくはありません。
だからこそ、この問題は難しい。
「夫がおもちゃを買いすぎる」という問題は、どちらか一方が間違っているから起きているわけではないのかもしれません。
今回は、「夫婦でもっと話し合いましょう」だけでは終わらせません。
すでに家におもちゃがたくさんある家庭でも始められて、パパも子どもも無理をしすぎない方法を考えてみます。
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なぜパパは簡単に買えて、ママは腹が立つのか
例えば、休日に家族で出かけたとします。
子どもが1,000円のおもちゃを見つけて、
「これ欲しい!」
と言う。
パパからすれば、
「1,000円でこんなに喜ぶなら、買ってあげてもいいか」
となるかもしれません。
しかも、そのおもちゃで一緒に遊べそうなら、なおさらです。
一方、ママには別のものが見えています。
また家におもちゃが一つ増える。
- どこに置く?
- 誰が片付ける?
- どうせ数日で飽きるかもしれない。
- 使わなくなっても、子どもは「捨てないで」と言う。
- 安いおもちゃなら、フリマアプリで売っても手間の割にほとんど利益にならない。
つまり、パパが見ているのは、
「今日、子どもが喜んでくれる1,000円」
なのに対して、
ママは、
「これから家に残り続ける1個のおもちゃ」
まで見ている。
この違いは大きいと思います。
実際、総務省の2021年社会生活基本調査では、6歳未満の子どもがいる夫婦と子どもの世帯で、夫の家事関連時間は1日平均1時間54分、妻は7時間28分でした。家事・育児・買い物など、家庭を回す負担には今も大きな差があります。
さらに海外の研究ですが、幼い子どもを持つ母親322人を対象にした調査では、家事を実際に行うことだけでなく、「何が必要か考える」「予定を立てる」「先回りして準備する」といった認知的な家事も母親側に大きく偏っていました。
だから、
「また買ってきた」
という一つの出来事でも、夫婦で感じる重さが違うのは不思議ではありません。

でも「買ってあげたいパパ」が悪いわけでもない
だからといって、
「パパがおもちゃを買うのが悪い」
と決めてしまうのも違うと思います。
父親と子どもの遊びについて39の研究をまとめたシステマティックレビューでは、父子遊びと子どもの認知・社会性・情緒などとの関連が幅広く調べられています。
休日にしか長く子どもと遊べないパパなら、
「せっかく一緒にいるんだから喜ばせたい」
「これを買ったら一緒に遊べそう」
と思うのも自然です。
結果として、そのおもちゃにすぐ飽きたとしても、
「まあ、そんな時もあるよね」
くらいに考える人もいるでしょう。
買った瞬間に子どもが喜び、一緒に少し遊べたなら、パパにとってはその時点ですでに価値があったとも考えられます。
問題は、その後です。
遊ばなくなったおもちゃは、家から自動的には消えてくれません。
「夫婦で話し合いましょう」だけでは、たぶん解決しない
この手の悩みでは、
「夫婦でおもちゃを買うルールを話し合いましょう」
という答えをよく見かけます。
もちろん、それで解決できる家庭なら一番いいと思います。
でも、
パパ「これくらい買ってあげてもいいだろ」
ママ「もう置く場所ないよ」
パパ「俺の小遣いだからいいじゃん」
ママ「お金だけの問題じゃないの!」
となってしまう家庭もあります。
そもそも、
パパは買ってあげたい。
ママはこれ以上増やしたくない。
ここを完全に一致させようとすること自体が難しいのかもしれません。
だったら、考え方まで揃えなくてもいい。
考え方が違ったままでも、おもちゃが増え続けない仕組みを作ればいい。
私はその方が現実的だと思います。
すでにおもちゃだらけなら、まず「捨てない」
ここが一番大事です。
新しく、
「パパのおもちゃ箱を作りましょう」
と言われても、
すでに家中におもちゃがある家庭では始められません。
だから最初にするのは、断捨離ではありません。
今あまり遊んでいないおもちゃを、一度「休ませる」ことです。
大きめの段ボールでも、衣装ケースでも構いません。
押し入れ、物置、別室など、普段の生活スペースとは違う場所に「休憩中のおもちゃ」を置きます。
ここで子どもに、
「いらないおもちゃを選んで」
とは聞きません。
たぶん、
「全部いる!」
となります。
そうではなく、
「今よく遊んでるおもちゃを選ぼう」
と聞きます。
今遊んでいるものを残して、それ以外を一度休ませる。
捨てるわけではありません。
売るわけでもありません。
また遊びたくなったら戻していい。
これだけなら、子どもも親も比較的始めやすいのではないでしょうか。
36人の幼児を対象に、4個のおもちゃがある環境と16個ある環境を比較した研究では、4個の条件の方が、一つのおもちゃで遊ぶ時間が長く、遊び方の種類も多くなりました。
もちろん、この研究だけで「家のおもちゃは少ない方がいい」とまでは言えません。
ただ、一度に目に入るおもちゃを減らすこと自体には意味がありそうです。
そしてもう一つ。
子どもは大人が思うより早い段階から、「これは自分の物」という所有意識を持っています。3〜7歳児269人を対象にした研究でも、子どもは物を誰が使うべきか判断する際に所有者を強く重視していました。
だから、親から見れば使っていないおもちゃでも、
「もう遊んでないから捨てるね」
と勝手に処分するより、
まず休ませる。
このワンクッションが大切だと思います。

空間ができたら「パパのおもちゃ箱」を作る
生活スペースが一度落ち着いたら、ここから新しいルールを始めます。
まずは、
パパのおもちゃ箱。
パパが休日などに、
「これくらいなら買ってあげたい」
と思って買ったおもちゃは、ここへ入れます。
大事なのは、
パパにおもちゃを買わせないための箱ではない
ということです。
スペースがあるなら、買ってもいい。
子どもが喜ぶなら、一緒に遊べばいい。
ただし、その箱の中の管理はパパと子どもで行う。
ママは、
「パパのおもちゃ箱、いっぱいになってるよ」
と知らせるだけ。
そこから、
何を残すのか。
何を休ませるのか。
それはパパと子どもで決めてもらいます。
買う自由と、その後の管理をセットにする。
これなら、パパの気持ちを否定せずに済みます。
ガチャやお菓子のおまけは「子どものおもちゃ箱」へ
もう一つ作りたいのが、
子ども本人のおもちゃ箱です。
ガチャガチャ。
お菓子のおまけ。
100円ショップのおもちゃ。
イベントでもらった小さな景品。
こうした物は、一つ一つは小さくても、気付けばどんどん増えていきます。
そこで、
「これは○○ちゃんのおもちゃ箱だから、好きに使っていいよ」
とする。
ただし、
「いっぱいになったら、もう使っていない物を自分で選んで減らそうね」
というルールにします。
自由に使える代わりに、箱の中は本人が管理する。
親が勝手に捨てるよりも、子ども自身が、
「これは残す」
「これはもういいかな」
と考える方が納得しやすいと思います。
箱に入らない大きなおもちゃは別枠にする
もちろん、全部が箱に入るわけではありません。
- 大きなぬいぐるみ
- キッチンセット
- 大きなレールセット
- 乗用玩具
こういう物は別枠です。
ただし、
「置ければOK」
だけにすると危険です。
「ぎゅっと詰めたら置ける」
「上に積めば大丈夫」
「ここに少しはみ出して置けばいい」
と、どんどんルールが崩れていきます。
だから大型玩具は、
「この場所に置く物は○個まで」
など、箱とは別の定員を決めます。
大きな物を一つ増やすなら、今ある大きな物を一つ休ませる。
大型だからと無制限の例外枠にはしない。
これくらいが現実的だと思います。

この仕組み、実際にやると多分ここで詰まります
ここまで読むと、
「うちでもできるかも」
と思う一方で、
「でも絶対、こんなにうまくいかないよ」
とも思いますよね。
私もそう思います。
ルールは、作った通りに完璧に守られることを前提にしない方がいい。
実際には、こんなところで詰まりそうです。
| 起こりそうなパターン | 破綻ポイント | 現実的な対処案 |
|---|---|---|
| 子どもが休憩箱から何度も戻したがる | 出した物がまた全部戻ってくる | 戻してOK。ただし「1個戻すなら、今出ている物を1個休ませる」。捨てさせない代わりに総量は増やさない |
| 子どもが「全部いる!」と言う | 最初の整理が進まない | 「捨てる物を選んで」ではなく「今よく遊ぶ物を選ぼう」にする。選ばれなかった物を休憩箱へ |
| パパ箱がいっぱいでも父親が買う | 「ちょっとくらい」でルールが崩れる | 買うこと自体は禁止しない。ただし、新しい物を入れる前にパパ本人が1個休憩箱へ移す |
| パパ箱に無理やり詰め込む | 箱の容量ルールが形骸化する | 「フタが自然に閉まる」が上限。押す・上に積む・横に置くはパパ箱の外と考える |
| 大型玩具を買ってくる | 箱ルールが使えない | 大型玩具は別枠。「大型は○個まで」と決めて、買うなら今ある大型玩具と交代する |
| 子どもがパパ箱の玩具も「自分の物」と言う | 誰が整理するのか曖昧になる | 所有権ではなく管理担当で分ける。「あなたの物だけど、パパと買った物はパパと整理する」 |
| 母親が結局全部片付ける | 管理負担がまた母親に戻る | パパ箱の整理・休憩箱への移動は父親担当。母親は「いっぱいになってるよ」と知らせるだけ |
| 休憩箱そのものがいっぱいになる | ただ収納場所を移しただけになる | ここで初めて処分を考える。「戻す・売る・譲る・処分する」を古い物から決める |
| ガチャ・おまけ・100均玩具が増える | 安価なので一つ一つは気にならないのに、量だけ増える | 子ども専用の玩具箱へ。本人が好きに使っていい代わりに、いっぱいになったら本人が入れ替える |
| 祖父母が大量に買ってくる | 親子で決めたルールの外から玩具が増える | 祖父母からの玩具も誰かの箱や共有枠へ。入らなければ休憩箱へ。祖父母だからと例外にしない |
| 子どもが買い物中に駄々をこねる | 母親だけが「買ってくれない人」になる | 「ママがダメ」ではなく、「○○ちゃんのおもちゃ箱、空いてたかな?」「パパ箱に入るかな?」と家のルールへ戻す |
| 父親がその場で買ってしまい、後から相談になる | 事前ルールが機能しない | 買ってしまったことを責めない。ただし帰宅後、その日のうちに「どこへ入れるか/何を休ませるか」を父子で決める |
ポイントは、
ルールを一度も破らないことではありません。
破られた時に、
「またあなたは!」
と夫婦喧嘩に戻るのではなく、
元の状態へ戻す方法まで決めておくこと。
その方が続けやすいと思います。
休憩箱がいっぱいになったら、そこで初めて「出口」を考える
休憩箱は便利ですが、無制限に増やしたら意味がありません。
1箱が2箱、3箱と増えたら、
ただ別の場所におもちゃを移動しただけです。
だから休憩箱にも上限を決めます。
いっぱいになったら、その時に初めて、
・また遊ぶ物
・売る物
・誰かに譲る物
・処分する物
を考える。
すぐに捨てる必要はありません。
一度生活スペースから離れて、何か月も誰も思い出さなかった物なら、最初よりずっと判断しやすくなっているはずです。
おもちゃが増え続ける原因そのものは、パパの買い物だけではありません。誕生日やクリスマス、祖父母からのプレゼント、ガチャや景品など、家にはいろいろな入口があります。
問題は、入ってくる量に対して、家から出ていく量が少ないことです。おもちゃ全体を増やさない考え方については、別の記事で詳しく整理しています。
→ おもちゃが増えすぎて片付かない!増やさないためにやること5つ
それでも買ってあげたくなるなら、日常のおもちゃは「借りる」方法もある
それでも、
「パパは子どもが欲しがったら買ってあげたい」
「新しいおもちゃで遊ばせてあげたい」
という家庭もあると思います。
その気持ちまで無理に止める必要はないと思います。
そこで一つの方法になるのが、おもちゃのサブスクです。
購入なら、
買う → 遊ぶ → 飽きる → 家に残る
ですが、
レンタルなら、
借りる → 遊ぶ → 返す → 次のおもちゃが来る
と、最初から出口があります。
例えば家庭のおもちゃを、
子どものおもちゃ箱
ガチャ、おまけ、小さなおもちゃなど本人が管理する物。
パパのおもちゃ箱
パパがその場で買ってあげたいと思った物。
誕生日・クリスマスの玩具
長く残したい、しっかり選んで購入する物。
サブスク玩具
日常的に遊ぶ、一定期間で入れ替わる物。
と分けることもできます。
こうすると、パパの「買ってあげたい」を完全に禁止しなくても、家のおもちゃ全部が買い切りで増え続ける状態は避けやすくなります。
サブスクを使うこと自体が目的ではありません。
家に入ってきたおもちゃが、どう出ていくのか。
そこまで含めて考えるための、一つの方法です。

買うなら「残したい玩具」を選ぶ
逆に、購入する玩具まで全部安い物にする必要もありません。
誕生日やクリスマスなど、
「これは家に残してあげたい」
という時には、長く遊べそうな定番玩具をしっかり選ぶ。
中古需要のある物なら、使わなくなった時に売却という出口を作りやすいこともあります。
もちろん、人気玩具なら必ず高く売れるわけではありません。
状態や需要、付属品の有無などでも価格は変わります。
でも、
何となく安い玩具を何個も増やすのではなく、残す物はしっかり選ぶ。
という考え方はあっていいと思います。
パパの気持ちを変えなくても、おもちゃが増え続けない家にはできる
「もうおもちゃ買わないで!」
と何度言っても、また買ってくる。
そんな夫に腹が立つ。
その気持ちはよく分かります。
でも、パパにはパパなりに、
子どもを喜ばせたい。
一緒に遊びたい。
という気持ちがあるのかもしれません。
なら、その気持ちを完全に変えようとするより、
買った後にどうするかまで仕組みにしてしまう。
今あるおもちゃは、まず捨てずに休ませる。
空間ができたら、パパのおもちゃ箱と子どものおもちゃ箱を作る。
箱がいっぱいなら、何かを休ませる。
休憩箱までいっぱいになった時に、初めて売る・譲る・処分を考える。
日常的に入れ替えたい玩具は、レンタルという方法も使う。
大切なのは、
夫婦の考え方を完全に同じにすることではありません。
おもちゃが「入ってくるだけ」で終わらず、ちゃんと出ていく流れを作ること。
パパは、
「子どもに買ってあげたい」
と思ったままでいい。
ママも、
「これ以上、家に増やしたくない」
と思ったままでいい。
その間を、仕組みでつなぐ。
私は、そのくらいの方が現実の家庭では続けやすいと思います。
編集・案内担当

みさき|おもちゃ買取の教科書 編集担当
おもちゃの「買う前」より、買った後に起きる悩みを中心に調べています。買う・借りる・売る・残すを一つの正解にせず、家庭に合う方法を公式情報や研究も確認しながら考えます。
※「みさき」は当サイトの記事を案内する編集上のペンネームです。

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